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お役立ち情報ブログ

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【水稲・培地】水稲育苗用培土の主な原材料とその特徴

2022-01-13
1. 概要

 水稲生産において、直播を除き広く一般的に行われる工程である“育苗”であるが、この育苗工程において使用される資材として、「水稲育苗用培土」を使われる事が一般的である。

この水稲育苗用培土は、3種類に大別できる。

粒状培土・粉状培土・軽量培土の3種だ。
(培土以外では人工成型培地等を使用して育苗する場合もある。)

今回はこの3種の違いと、培土の中身である原材料について解説したい。



2.水稲育苗用培土の3種類

〇粒状培土(りゅうじょうばいど)
 現在最も多く流通している水稲育苗用の培土。粉状の培土で課題であった通気性を粒状に加工する事で改善した歴史がある。

黒色~茶色(黄~褐色)粒状のものが一般的で、
黒色粒状のものは火山灰由来の黒ボク土が使用されている。

茶色(黄~褐色)粒状のものは富士山の火山灰由来である関東ローム層の土や、花崗岩が風化した真砂土、褐色森林土等である。

この培土の色の違いは、地域により黒色、もしくは茶色(黄~褐色)のものでどちらか片方に集中して使用されている事が多い。

(一口メモ:粒状培土は同一商品で全国に流通しているケースというのは極めて少なく、重量物であるために、地場の原材料を地場で加工し、近隣に流通しているケースがほとんどである。
そのため、運送コスト等から地場の原材料を地場で加工し流通させるという形態が多くを占め、単一メーカーが寡占している状況はなく、その地方により流通している培土の原材料に差があるという特徴がある。)

粒状培土は流通量も多く、水稲育苗培土の中では比較的安価な場合が多く、扱いに関しても粉状培土より育苗管理難易度は高くない。


〇粉状培土(こなじょうばいど)
 現在では一部地域を除き、流通量は少ない。
粉状の課題であった、通気性の悪さによって苗の生育に課題があった事から、粒状培土の普及によって流通量は減。

培土の透水性・通気性が粒状培土より劣る事から高い育苗管理能力を必要とする。

〇軽量培土(けいりょうばいど)
 有機質資材を中心に軽量化された培土。
ピートモス、バーミキュライト等、中身の原材料は園芸用培土に使用されるものが使用されるケースも多く、外国産資材を多く含むため価格は高く、今後も価格変動リスクは高いとされる。

基本的に粒状に加工しておらず粉状培土に分類できるが、有機質が主体のため培土自体が団粒構造に形成され、そもそも粒状加工を必要とせず、通気性・保水性等が良く、栽培時の物理性の問題は少ない。

特徴として従来の粉状培土・粒状培土と比較すると軽く、主に苗箱の運搬作業の省力化で評価されている。

3.水稲粒状培土の主な原材料

〇黒ボク土
 火山灰を主体に枯れ葉等が堆積された森林の土。有機質を多く含み畑作にも使用されるケースの多い原料のひとつである。特性としてアルミナがリン酸分を吸着してしまうために、植物へのリン酸吸収に影響があるともいわれている。

腐食物質を多く含むため、CEC(保肥力)は真砂土に比較すると高く、肥料の流亡を防ぐ事ができるため、肥料の持続期間が長くなる。

〇真砂土
 黄~褐色の花崗岩が風化したもの。基本的にはサラサラとした砂質のものを指す事が多いが、粘土質のものもあり、水稲培土に適している真砂土とは、サラサラとしすぎず、粘土質が強すぎない中間の砂質のものである。

サラサラとした砂質が強いものは、通気性等に優れるものの保肥性や保水性が悪く、
粘土質が強いものは、通気性が悪い。

〇赤土
 関東ローム層の火山灰由来のものは、畑作に向く団粒構造をした土であるが、競技場等に使われる粘土質の強い赤土やレンガに加工されるものもあり、赤土の性質も様々である。
そのうち水稲育苗用培土に適していると考えられるのは関東ローム層等の赤土である。

〇ゼオライト
 多孔質でCEC(保肥力)の向上を担う事ができる。水稲培土に混合される事も多い。単体でも土壌改良剤や、家畜飼料として使用される。

〇その他
 メーカーにより、粒状化するためにノリを使用したり、ベントナイトを使用して粘土分やケイ酸分を補ったもの等がある。


黒ボク土 + 真砂土 + ゼオライト の信頼できる原材料のみを使用した水稲育苗用培土
→株式会社ナガタ水稲育苗用粒状培土 サンソイル

化学的な原材料は化成肥料のみで独自の造粒技術によってノリ等の粒状形成の接着剤は不使用、主体となる原材料は全て国産を使用しており、無肥料のものは100%国産原料で生産しています。(寒地用・暖地用は化成肥料を混和)

    

 
 
  
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