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【園芸・用土】園芸用培土によく使用される資材(原材料)とその特徴

2023-08-18
園芸培土によく使用される資材(原材料)とその特徴
園芸培土は、現在では数多くの商品が販売され、園芸の専門店から、ホームセンター等で見かける機会も多くなってきており、ネットでも手軽に入手できる機会が増えた。

園芸培土の中身について、園芸培土の製造メーカーである㈱ナガタがその原材料の特徴や使用上のポイントを簡潔に解説する。
培土を自作する際には各原材料の性質を理解した上で混合し、作成したい。
〇バーミキュライト
概要】
蛭石(ひるいし)を約800度で加熱風化処理して10倍以上に膨張されたもの。国内で流通する多くのものは輸入品であるが、国産品も流通している。主な輸入国は中国や南アフリカ等。
 
【特徴】
・軽い
・多孔質
・phは中性(7.0前後)
 
【使用上のポイント】
とても軽い原料であるため、軽すぎて植物の重みで鉢植え等の場合倒れやすくなるため、栽培する植物が長身になるものや軽い鉢で栽培する場合は注意が必要。
栽培作物によって、phの調整が必要な場合が多いので、ph調整と培土の混合バランスを考慮してその他の資材と混ぜて使用する。
 
〇ピートモス
【概要】
ミズゴケ、ヨシ、スゲ、ヌマガヤ、ヤナギ等の植物が堆積し、腐植化した泥炭を脱水、粉砕、選別したもの。国内で流通する多くのものは輸入品であるが、北海道産を主として国産品も流通している。輸入国は、欧州やカナダが代表的である。
 
【特徴】
・保水性、通気性が良い
・強く乾くと撥水する
・強酸性
 
【使用上のポイント】
まず使用前に気を付けたいのがphである。一般的に調整済みか否かで表現される場合が多く、この調整とはphの事を指す。調整ピートモス→酸性~弱酸性 無調整ピートモス→強酸性であるので、ブルーベリー等の酸性土壌を好む作物は無調整ピートを使用するが、その他多くの植物は弱酸性が好ましいケースが多いので、他と配合せずそのまま使用する場合は特にこの「調整」「無調整」は注意が必要であり、必ずph値を確認した上で使用し、必要であれば石灰等で自分で調整が必要。
また、一度強い乾きに陥るとその後吸水性が著しく低下するので、完全に乾かないように管理する必要がある。
通気性・保水性等、土の物理性としては植物の栽培に適している。
 
〇ココピート
【概要】
ヤシ殻を粉砕、乾燥させたもの。全て輸入品で、スリランカ、インド等から輸入している。ピートモスの原料枯渇・価格高騰や環境問題から注目されている資材。性質はピートモスに近く、代替品として使用できる。よりピートモスに近い、腐植させたココピートも流通している。
 
【特徴】
・軽い
・高ECのものがあるので注意
・保水性・通気性が良い
 
【使用上のポイント】
使用上気を付けるべき点としてEC値が高すぎるものがあり、これは植物の栽培に適さない。栽培・加工地域が沿岸部原産のものはこの数値が高い可能性がある。
乾くと撥水するが、ピートモスよりは一般的にゆるやかで扱いやすい。
 
〇ゼオライト
【概要】
沸石。国内で流通する天然ゼオライトは国産のものが多く、島根県等が代表的な産地。
園芸用途以外にも様々な用途がある。
 
【特徴】
・多孔質で孔径は極めて小さい。
・保肥性が高い
・通気性が良い
・水質改善
 
【使用上のポイント】
単体で使用する場合、鉢底に敷いて根腐れ防止剤として使うと効果的である。
微細な多孔質から、保肥性が高く、培土の肥料を保持する補完として他の資材と混ぜて使用する。
 
〇パーライト
【概要】
ガラス質の火山岩を高温で熱し、急激に水分を蒸発させた多孔質の資材。
原料は、真珠岩原石が多いが、その他の黒曜石等の岩石を原料とする場合もある。本稿ではこの真珠岩原石由来のものを解説する。

【特徴】
・軽い
・多孔質
 
【使用上のポイント】
感覚としては、バーミキュライトほど保水性を求めていないが、ゼオライトよりほしい。そんな中間的な資材として使用。
栽培作物が要求する水分量に応じて使用する。
 
〇赤玉土
【概要】
関東ローム層の火山灰を由来とした土。自然に粒状を形成しており、小粒~大粒にふるい選別され、サイズごとに流通している。
 
【特徴】
・リン酸の効きが悪くなる
・見た目で保持している水分量がわかりやすい(含水量による色の濃淡での判別)
・粒状が崩れてくるので、通気性が次第に悪くなる
・弱酸性
 
【使用上のポイント】
火山灰由来であるので、(アルミニウムが)リン酸を吸着する力が強くリン酸を離しにくい性質を持つので、施肥は意識的に調整が必要。
湿っていると濃い茶色に変色するので、潅水の目安としてわかりやすい。
自然に粒状を形成しているので、次第に粒状は崩壊する。硬度の高い焼成した赤玉土もある。
比重はおよそ0.8と、園芸培土としては重たいので、他の軽量資材と組み合わせて重みを出したいときに使用しても良い。
 
〇鹿沼土
【概要】
栃木県鹿沼市で産出される火山灰を由来とした土。性質としては赤玉土と近いが、より酸性を示す。
 
【特徴】
・リン酸の効きが悪くなる
・見た目で保持している水分量がわかりやすい
・粒状が崩れてくるので、通気性が次第に悪くなる
・酸性
 
【使用上のポイント】
主な性質は赤玉土と近く、赤玉土より酸性土壌を好む植物の栽培や、培土の配合によるphの調整として使う。
 
〇日向土(ボラ土)
【概要】
宮崎県南部で産出される土。赤玉土等より硬く粒状が崩れにくい。
 
【特徴】
・多孔性
・硬い
・弱酸性
 
【使用上のポイント】
硬く、粒状がしっかりとしているおり、保水性・保肥性は低いので、主に水はけを良くするために培土に混合します。
 
〇腐葉土
【概要】
林床で腐植した落ち葉や枝。植物性の堆肥として、土壌の物理的な改良や、緩効性の肥料として活用される。
 
【特徴】
・ふかふかとした土(団粒構造)
・保水性・保肥性・通気性・保温性
 
【使用上のポイント】
・畑作等で良いとされる団粒構造の土壌の物理性を確保するために、単体で畑に施用したり、保温性からマルチングとしても使用できる。
培土に使用しても良いが、同じ植物性堆肥であるバーク堆肥より高価であるため、ここぞという時に使用したい。
 
〇バーク堆肥
【概要】
樹の皮を発酵、完熟させたもの。土壌の物理性を改善するために使用される事が多い。有機肥料としての効果は低い。肥料分は少ない。
【特徴】
・水はけのよいふかふかとした土壌
・有機物で土壌の微生物を活性化
【使用上のポイント】
畑作等の圃場の土壌改良として使用する。特に土壌が硬くて締まっている土壌をふかふかに改良したい場合に使用する。


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