本文へ移動

お役立ち情報ブログ

お役立ち情報ブログ

【水稲苗】事例と写真で見る 失敗しない 水稲苗づくり 播種編(床土入れ~芽出し工程) ―播種で失敗しないための3つのポイント―

2021-07-12
事例と写真で見る 失敗しない 水稲苗づくり 播種編(床土入れ~芽出し工程) ―播種で失敗しないための3つのポイント―
播種で失敗しないための3つのポイント

・培土の選択

・床土の初期水分

・覆土量

以上をおさえ、
実際の作業の事例から、育苗フローと各工程の注意点を以下に解説する。

作業の流れ

  1. 育苗箱・培土準備
  2. 床土入れ・床土潅水
  3. 播種
  4. 覆土
  5. 芽出し

写真で見る事例:床土・覆土共にサンソイルNS-1を使用した手播き
 
1.育苗箱・培土準備
消毒済みの育苗箱を用意し、今回の培土は水稲粒状培土サンソイルNS-1を使用する。
播種時の気温や栽培環境を考慮し、肥料成分が適切なものを選択しましょう。
※1 サンソイルは、真砂土(まさ土)と黒ボク土(黒土)を主体とした、製造元 (株)ナガタの水稲育苗用粒状培土。サンソイルNS-1は寒地用として、主に中国地方全域と近畿地方・九州地方の一部の地域で使われている。サンソイルNS-1寒地用の他、サンソイルNS-2暖地用、サンソイルNS-3覆土用(無肥料)があり、40年以上の歴史から、小規模農家をはじめ、西日本最大級規模の育苗センターでも使用されている製品で、本解説の手播きから大型育苗施設においても使用可能
2.床土入れ・床土潅水
今回播種機は使用しない。
 
床土はならし板を使い、所定の容量(図1)入れる。
厚播き(密苗)の場合は床土量を減らす。
 
潅水時に高い水圧をかける事や、過度の潅水は粒の崩壊や肥料分の流亡になるので、1程度の潅水を目安とする。
 
床土の初期水分が少ない →根上がり等の症状が出る。
床土の初期水分が多い→肥料の流亡や、潅水時の粒の崩壊による通気性・透水性の低下。
 
播種機での潅水量も少なすぎないよう注意。
 
※育苗用ロックウールマットを使用する場合は培土と特性が違うので注意が必要。特に初期水分が少なく失敗する事が多いので当該の説明書等を確認の上使用する。
 
 
3.播種
播きやすいよう少し乾かした催芽籾を小分け
種もみを播種します。写真では130gの播種。
 
手でパラパラとまんべんなく播種しますが、手播きの場合は特に育苗箱端部へしっかりといきわたるよう播く。
 
種もみの準備については、過去記事に工程を紹介しております。

 
4.覆土
所定の容量(図1)入れる。
この時覆土量が多いと、通気性・透水性が低下して、粒が崩壊する、生育に悪影響を及ぼす事がありますので、ウォータースペース(図1)を確保できる量を覆土する。
 
逆に少なすぎると、根上がり等の症状で生育に悪影響を及ぼす事があるが、出芽後に覆土を追加してもみを落ち着かせる事も可能なので、
 
覆土量は多く入れすぎないように注意する事が重要だ。
 
覆土後の潅水は、根上がり等の原因となるので、原則行わない。
 
5.芽出し
今回は加温機を使用して段積式に芽出しを行う。
 
設定温度30℃、約2~3日で覆土から見える長さが1cm程度になります。
この時芽を長くしすぎると、苗の徒長の原因となり、ずんぐりとした良い苗ができませんので注意が必要です。
〇まとめ

・培土の選択→土地の気候や播種時の環境温度に適した肥料成分の培土(培地)を使用する。

・床土の初期水分→粒状培土の場合、多すぎると粒の崩壊や肥料分の流亡、少ないと根上がりする。

・覆土量→多いと透水性・通気性が悪化、少ないと根上がりする。







    

 
 
  
TOPへ戻る