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お役立ち情報ブログ

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【水稲育苗】育苗培土を3割節約!大型育苗施設のプロが実践している育苗事例

2024-04-02
育苗箱に入れる培土の量は、3分の2で足りる!
ーーこう話すのは、大型育苗施設で長年水稲育苗をしてきた熟練の苗職人。

水稲育苗において、専用の粒状培土等を培地として栽培する事が一般的であり、本事例も一般的に市販されている粒状培土を使用している。

こんな事例です
・かさましするような資材を一切必要とせず、育苗箱の形状もフラットなものであり、純粋に育苗培土の量を3割程度カットした育苗事例である。

今回の事例では、近畿地方の大型育苗施設で実際に行われている播種・育苗方法。

・従来の播種~育苗管理を大きく変えることなく土の量を減らし、コストカットと、軽量化による作業性の向上に成功した事例


以下に播種作業~実際の管理ポイントを解説する。
1,播種・床土入れ作業
〇播種作業
大型の播種機によって床土入れ、播種、覆土を行う。
構造的には一般的な播種機のものを大きくしたイメージであるので、小型の播種機でも対応できる。

床土の量を2kg前後。(通常2.8kg)
覆土の量を1kg前後。(通常1.2kg)

上記の量を目安に播種機の培土供給量を調整し、播種する。

本事例の一番の肝となる部分だが、その手法は意外にもとてもシンプル。
逆に培土量を多く入れる事によって生育が良くなると考えがちだが、通気性の悪化や、保水量が高まりすぎる事による根腐れ等、デメリットも多いので適切な培土量を使用することが重要である。
2,緑化期 ハウス内管理
緑化期 慣行の管理体制でOK。

ですが、
今回は緑化においても特徴的な事例であるので、参考程度に記載する。

緑化室に踏み入り観察すると、高温多湿で、箱表面にうっすらと白カビも見受けられた。葉の色を見ても黄色~白色になってしまっている部分も見受けられる。しかし苗職人は硬化期になればカビも消え、色も出てくるから問題ないと話す。

重要視する部分は、寒気に当たって苗の伸長が止まってしまうこと。しっかりと緑化の段階である程度の長さまで管理するとのこと。

以前他の熟練の苗職人にも話しを伺った際にも緑化期の重要性を語っていた。
緑化期での苗管理が後々の苗の出来具合に大きく影響するということ。


3,硬化期 露地管理
右の写真と下の写真を比較してもらえばわかるように、緑化期ではまばらな色あいであった苗だが、下の写真では見渡す限りきれいに色が揃っており、苗の長さもしっかりと揃っている。

これぞまさしくプロの芸当。

本事例での硬化期、露地栽培に移行してからの管理であるが、注意ポイント。

潅水(みずやり)回数が多くなる。

土の量が少ないということは、その分保持できる水分量は必然的に少なくなる

そのため、晴天時通常の潅水頻度として2~3回のところ、3~4回必要になってくる点が、この栽培の欠点とも言える。

見方によっては、適度に乾く事で苗の生育が良くなったり、水をやりすぎた後のフォローがしやすい等メリットもある。

ここの潅水設備としては潅水チューブを這わせてあり、蛇口をひねれば一斉に潅水できる。
そのため潅水頻度が一回増えた程度では作業的な負担は小さいため、本栽培手法はコスト的にも作業性にしても高い合理性をもった栽培体系と言える。
まとめ
土の量は少なくても良い苗ができる!
反対に土の量が多すぎると生育に支障をきたす場合もあるので、本事例を参考にしてみてください。
苗質向上×コストカット×作業性向上
メリットが3点もある事例でした。


培土の量を多くしすぎると苗の生育が悪くなるってどういうこと?
詳しくはこちらの記事でも解説しております。


今回の事例で使用した培土
→株式会社ナガタ水稲育苗用粒状培土 サンソイル

    

 
 
  
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